草笛音色
 
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2005年5月を表示

最終話「星が輝くから」 21話「弱虫=強がり」

第21話「弱虫=強がり」

病院へ向かい、そして記憶のプログラムを入れて
もう他人となった貴に会いたくなかった・・・
気が付く前にすぐに病室から出て家に帰った・・。いや、正確には逃げ帰ったのだ。
私は弱虫だ。だから強がっている。
だから・・・だから私はわざと偽者を植えつけた。
「愛してる」その一言を・・「好き」そのたった一言を言ってほしくなかった。
そして、嫌だけど記憶を植えつけた。それしか手段は無かった。
記憶の城の「ブラック・ムーン」と「ホワイト・サン」(サンプリンセス)と契約して・・・・そして私は何も無かったかのように
毎日を過ごせる生活をこれから送れるのかと思っていた・・
だけど現実と理想の差は激しかった。
確かにその生活を送れた。だけど・・なにか・・何かが違った。
さの何かは、利耶のことを彼女だという記憶が入ったいたからだった。
だけど何も言わなかった。
そっちのほうが・・・そっちのほうがより私を好きになる確率が低いと思われた。
だけど、あの言葉を私は忘れてはいなかった・・

「これで完全にもとの記憶は封印されました。・・・・がいつ封印が解けるか分かりません
     一分後か、一時間後か、それとも戻らないか・・。それは人様々です。記憶に思い入れがあればあるほど解けやすくなります」
「そして、俺達が封印したとはいえ、同じ力を持つものなら簡単にいじる事が出来ます。
   例えば「ホワイト・ムーン」や「ブラック・サン」(サンプリンス)は簡単に変えられます。」
「しかも回りの改正した記憶も封印が解けたとき、元に戻ります」
「思い出させるような行動は、なるべく避けた方がいい」

そして・・「ブラック・ムーン」と「ホワイト・サン」(サンプリンス)と契約した利耶は
自分のことを彼女だと思い込ませるようにした・・・

どうして再契約しなかったのだろう・・・
もし再契約したならばこんな・・・こんなことにならなかったかもしれない。
だけどそれは分からない。
          世界の偶然はだれも変えられない




最終話「星が輝くから」

「どうして早くきづかなかったのかな・・」
「さぁ・・でも、気付いていてもどうにかなる事じゃないだろ」
「…利耶は、なんで死んだのかな・・」
「偶然」
「・・人の死がどんなに重いものなのか分かっているでしょう?帝。 そんなものを「偶然」で済ませなれると思ってるの?」
「人が生まれるのも偶然。死ぬのも偶然。この世界は偶然と奇跡で成り立ってる・・。俺様たちがここで出会ったのも偶然だ」
そう・・運命なんて存在しない。
世界で何が起きるか分からないんだ・・
それは全て偶然だと思う・・
今一瞬、空の星が強く輝いたような気がした。

次の瞬間!・・
まばゆい光が辺りを包んだ。
すごくまぶしい…。だけどとても暖かい光が・・。
「お姉様・・お姉ちゃん・・おねえちゃんっ!」
「利耶・・利耶なの?!」
「お姉ちゃんゴメン・・気付かなかったのは私なの。」
「利耶・・」
「お姉ちゃんが家を出た後、お母さんからもらった契約書・・。あの時、私はおねえちゃんを恨んだ・。私に情けをかけたみたいで嫌だったから・・」
声はするけど姿は見えない。
けれど、彩はまるで見えているかのようにある一点を見つめていた。
・・いや・・見えていたのかもしれない・。

「だけど死んでから分かった・・。あのね、言わなきゃいけないことがあるの・・。 私は…ずっと前に死んでいたの」
「え…」
「ソールチェーンは、私の体と精神だけの肉体を食い尽くそうとした。ソールチェーンが取り付くときには、崖から落ちて死んでいたの。その魂だけが抜けた体で、少しだけの記憶を使って私に成りすましたソールチェーンが・・こんなことに・・」
「利耶・・自分を思いつめないで。魂だけでも、前にすすむ道はあるの・・。過去を悔やんでたら前へ進めない」
「おねえちゃん・・ありがとう。あのね、私、ポケモンに生まれ変わったの。」
「生まれ変わった・・?」
「そう、だからね・・一つの技を使っておねえちゃんに・・皆に恩返しをしたいの・・。 技の名前は…」
声が少しづつ消えていって、最後のほうの技の名前は聞き取れなかった。
そして…虹色の光が部屋中を照らして、あまりの眩しさに俺達はおもわずめを瞑ってしまった・・。

次、目を開けるとそこは中棟部の裏庭だった・・
「嘘だ・・信じられないわ。時間を戻すなんて・・」
「だけど、実際に戻っている・・。これが現実だから…」
「奇跡…かしらね・・」
満天の星空の中、俺様たちはただ、優しい風を受けながら星を眺めた。

利耶が使った技は、名もない不思議な技だった。
利耶が生まれ変わったポケモンは、おとぎ話に出てくるようなポケモンだった。

星空がきれいだ…
ふと、利耶の声が聞こえたような気がした。
「私・・ジラーチに生まれ変わったんだ・・」と。
その声が皆聞こえたのか、顔を見合わせ笑った…
そうえば彩は言ってたっけ…。
七夕の日が、私達双子の誕生日・・と…
また、合えるよ…必ず。
偶然のような奇跡で…

終わり



5月28日(土)19:16 | トラックバック(0) | コメント(1) | 星が輝くから~お嬢様とは名ばかり~ | 管理


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